夏のしじま

2008.07.21 Monday 18:51
文庫を片手に、昼の電車に乗り込んで、スタジオに向かう途中
日差しと共に、土のついたユニフォームを着た高校生の男の子たちが4,5人で乗ってきた

試合だったのかな!あぁいいなって思ってしまうのは、自分が運動部の出身だからなのかな

私の両サイド席がそれぞれ1つずつ空いていて、移動するより先に彼らはそこに座って
さすがに、私は囲まれてしまって、譲ってあげればよかったと思い、前に立つ彼らもなんだかすまなさそうなので、文庫を閉じた。
その瞬間に、風の中に思い出を見た。
汗が焼けて、肌とユニフォームに染み込んだ、夏の土の味がする独特の匂い。
彼らの今日、午前中からの試合や、がんばりが目に浮かぶようで
毎朝、なぜか試合の日は目覚めがよくて、友達が待っていてくれて
キツイ練習も、ひとつも嫌じゃなかった、あの不思議な日々を思い出した。

席を立つのを、遅らせてしばらく
そこで、ひなたの中にいた。

いい匂いだと思った。
にわかに席を立つと、私の前に立っていた子が、体をよけながら

小声で「ウッス」
と言った。
笑いそうになったけど、私にはその「ウッス」がたまらまくて
好きだなぁって思って、なんでか背中が喜んでいたので、背中を残して私は車両を移った。
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