「韓国へ」その6  リポーター熊木

2006.03.23 Thursday 11:54
 ホテルの中に入るとぷ〜んと何かの匂いが…。24年の年月では嗅いだことのない匂いです。甘いのに辛い、う〜ん。絨毯の上に何日もキムチをこぼしっぱなしにしておいたみたいなどことない匂い。(イメージです)匂いのことはさておいて荷物をおろし、私に与えられた部屋へ。わらわらとスタッフさんたちも部屋へ。エレベーターはないので階段で上がります。

 私は3階。一番端の部屋です。ガチャリ開ける。ベルサイユです。ベットがベルサイユ風ですよ〜。お姫様になろうかな。それまでいっさいシンプルさビジネスさをきめこんでいたこのホテル。ふふと一人うけながら荷物を玄関に置こうと足下を見たら、スリッパが片方ずつ違うのが置いてある…。それは友達の家に置いてあるような、かわいらしい絵柄のスリッパで、よくあるホテル用の殺風景なスリッパではありません。それがすごく不気味さをかもしだしていましたが、きっとスリッパなんだから履ければいいじゃんと思っているのだと私はポジティブシンキングし、親近感に変え、それでも一応きれいに並べてあるあたりにこれまた一人でうけてました。なぜなら私は人におもてなしをする時など、グラスがそれぞれ別々でも何とも思わないので飲めればいいじゃないか派、履ければいいじゃないか派です。私の父も朝起きて来て、靴下を赤と青、(なぜそんな派手な色の靴下を持っているのか…)左右別々のを履いていたので、さすがにおいおいと思い『ねぇ靴下左右違うよ』と言ったら『いいじゃんかぁ』と、なぜかちょっとすね気味に返されたことがありました。そんな左右の違うスリッパを超え、靴を脱いで中に入ったら、すぐ右が洗面所、その奥にそのままシャワーのスペースが。浴槽はないのかぁとふと見渡すと、洗面台の横にかかっているタオル…。これは…。またもや友達の家にかかってそうな、うっすら色付きのタオルで、しかもたたんではおらず、ただひっかけてあるだけで、さっきまで誰か使っていた?と思わせるようなやつれ具合…。このホテルを経営している家族の私物なのではないのか?間違ってこの客室にまぎれこんだのではないのか?そもそもここは本当に客室なのか…それすら疑わしい…。笑えん。清潔は大事です。はぁ…。ん…。さらに悲劇が。石けんが使ってある!ぎゃあああぁあ!一度溶けてまた凝固してる!もうどうでもいい。私がいけないとすら思えてくる。そうして私が凝固していたら、一人のスタッフの方が入り口から現れ、(ドアを開けておいたので)『おもしろいものがあるよ』と言いました。負けじとこの部屋もおもしろいよと言おうとしたら、その人が私の部屋の奥をのぞきこみ『あ。ここは普通のベットだね』と言いました。普通?よもやこの状況では何が普通か判断もつかん。なんだろう…と思いながらスタッフの人に着いて行くと、すでに何人かが集まっている部屋が。仲間のスタッフさんの部屋です。なんだなんだ?部屋をのぞく。

 げっ!げげげ!ベットが丸い!そしてコテコテベルサイユ…ふっふっふ。あーっはっはっは!みな口を揃えて『ラブホテルだよ』。私も大爆笑しました。だってその部屋に割当てられたのが、よりによって男性、年配の凄腕ベテランカメラマンの方なのです。その方を含め、みなユーモアのある人たちだから、それをかなり笑いネタにしていました。『なんで今さら俺がここなんだよ〜』見ると窓際には、カップルで座るようにと、これまたくどいようですが、ベルサイユ。貴族がおほほほとか言いながら茶を飲んでいるようなコテッちゃんな椅子とテーブル(高級感はいっさいない)が添えられていました。私は再び大爆笑。似合わない!そのカメラマンの方には本当に失礼だが、その人の男くさい風貌とベルサイユのメルヘンさが、ちゃんちゃらおかしいのであります。

 さんざん失礼すぎるほど笑い、気をよくした私は、まだ自分のほうが救われているかもしれないと密かに思い部屋に戻りました。窓の外は暗くなり始め、待っていたのは左右の違うスリッパと夕食の時間です…。
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